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いくらなんでもご無沙汰です。 [音楽]

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いくらなんでも…

海外からのメールに返事するまもなく放置していたら重病を患っているらしいという噂が立ってしまっていて、
何人かの住所を知らせている方からは、達筆の英語で(ビジネスライクにワープロか何かでよこせばいいのに)
ボールペンなんかで書いてくるから読めない。
生きているのですが、もう少し4月の予算が仕上がるまではどうにもなりませぬ。
ブログをこんなに休んだのは今までなかったことでありますが、
もう少し時間がかかりますね。お見捨てなきよう。[あせあせ(飛び散る汗)]
猫の画像も時間が限られているので気分転換できる貴重な時間をどう使うか迷いつつ
昔のように夜更かしも出来ず、描きかけのものを幾つか同時に手を付け始めたところです。
もう少し復帰に時間がかかりますかね。
ゼロからのつもりで、時々皆様のブログを覗いております。

3月には岐阜に車でとんぼ返り、5月には滋賀で1泊2日ジジイにはきついので
何年ぶりかで奥さん同行ですわい。

音楽はフォルクマンの弦楽のためのセレナーデ第3番ニ短調からの抜粋。
このドイツの作曲家は音楽的にはドイツ・ロマン派に分類されている。
YouTubeでも演奏のほとんどが削除されてしまって聴いて欲しい作品が次々と姿を消してゆく。
HMVでピアノ三重奏曲がつい最近手元に届いた。
シンプルでリリカル。
それはこのセレナーデも同じ。彼には3曲の弦楽のためのセレナーデがある。
どれもお気に入りなんだけど、YouTubeでは埋め込めないものが多いね。





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断固たる19歳 [音楽]

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ジョルジュ・エネスク/ヴァイオリン・ソナタ第2番ヘ短調op.6

第1楽章 とてもいきいきと
第2楽章 静かに
第3楽章 速く


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1899年、彼が19歳の時の作品。
全盛期に書かれた第3番の高みにはないけれど、いや、この年令で書かれたヴァイオリンの作品としては抜群の完成度。
彼がパリ音楽院に入ったのが15かそこらで、これはその4年後に書かれている。
マスネやフォーレに支持した作曲部門での近代フランス音楽の影響下にあったのは一聴して理解できるけれど、印象派的な浮遊感とグルービィな空気感よりも明確に作曲技法と演奏技術の現実的融点を手に入れている。
晩年彼は盟友であった夭折のピアニスト、ディヌ・リパッティとこの第2番も実演の録音を残している。
その第1楽章は抜きがたい憂いが清新なピアノで洗われながらも蜘蛛の糸のように漂うヴァイオリンの旋律に繰り返される。
フレージングにフランス音楽の香りは漂うけれど、曖昧さはなく、点から点へピシリとした意思が音楽を紡いでいる。
情景は意識の外に追いやられ、イメージは不思議とモノクロームでエゴン・シーレを眺めているような思いをさせる。抒情的で内湛んだ主題はヴァイオリンに顕れる度に深化し、ピアノのクリアな波の上に浮沈を繰り返しては命のように蘇る。
技術的にもそう単純とは思えないけれど、全てが自発性に満ちていて音楽そのものに寄り添う。
高い技術レベルに作品の質の高さが融け合う。
こういうのが妥協のない演奏家が作る楽曲というのだろうか。
第2楽章はなんとも美しい。
表面的なものではなくて第一楽章の主題は旋律面をいっそう浮き立たせて静謐な、思いを押し殺して勁く歩む。
ピアノが前に出るとそこで素晴らしい協奏が生まれ、その後のピアノによる澄んだ表情が浮き上がる。ヴァイオリンは遠くから囁きボクが最も好きな部分へ入る。
絶妙のアンサンブルにヴァイオリンのトレモロが嫋々と流れ、長いフレージングが次第にテーマに戻ってゆく。
なんていうか、すでに頭のなかで音楽は出来てしまっていたのだろうね。
それから考えると幾通りもの演奏っていうのはあまり聴けないのかも知れん。
最終楽章は思い返したようにテクニカル。
ピアノはヴァイオリンを支えるリスムに徹し、
ヴァイオリンはテーマを繰り返しながら気分は全く異なり、変幻自在で即興的。
うん。例えばいくつかの約束事を決めておいてその間をつないでゆくヴァイオリンは霊感の赴くままに走っているような、そんな行書的な速度感と爽快感がある。
非常に舞踏的で煽動的である。
こういうところがヴァイオリニストとしての彼の天賦の才。
マスネやフォレの音楽ではないね。滲んだところが一片もない。

汲み尽くせないね、この先生。


YouTubeには上述した本人とリパッティの演奏もあるけれど、第3番同様現代の演奏家のものをチョイスした。
第2楽章を





Violin Sonatas 2 & 3

Violin Sonatas 2 & 3

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hyperion UK
  • 発売日: 2002/07/09
  • メディア: CD

Sonatas for Violin and Piano

Sonatas for Violin and Piano

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Priory Records
  • メディア: CD
Violin Sonatas

Violin Sonatas

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Claves
  • 発売日: 2009/01/02
  • メディア: CD
Violin Sonatas 2 & 3

Violin Sonatas 2 & 3

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ondine
  • 発売日: 1995/02/01
  • メディア: CD

Sonatas for Piano & Violin

Sonatas for Piano & Violin

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hungaroton
  • 発売日: 2005/09/05
  • メディア: CD




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Blogの中の猫たち-186 [Blogの中の猫]



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CAIMONO日和
和さんちの命名不明のお嬢様

年が明けて一回目のブログ猫。無精してるけどこれだけは何だか続いている。
さて、186回目の猫さんは…

どっかに名前があるはずだと探したんだけど、見つけられない。
キジトラさんともう一匹凄くシンプルな三毛猫さんがいるけれど、キジとミケで済んでいる。
このお嬢様もミケなんだけれど、かなり色合いが個性的ですね。

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ジジイくらいの年齢の人でひょっとしたら知ってるかもしれないが、錦鯉(にしきごい)の種類の中に大正三色と昭和三色というのがあって前者は白地がベースで赤と黒。後者は黒字がベースで赤と白。
このお嬢様は昭和三色っぽいね。
でも、こういう柄行も三毛さんには変わりないからやはりオス猫は希少であまり見たことがない。
ジジイはこういう濃いミケさんも好きである。
そして不思議なんだけど、人見知りで奥ゆかしいお嬢様が多い。
名前はあるのだろうけれど、見た目の印象で識別可能だから、人と猫一歩お互いが引いたところで共同生活をなさっているのか。
んなわけ無いか。
極めて個人主義的なネコの本道を行っている猫さんたちなのだろうね。
そうして飼い主さんも似ているのかもしれない。

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音楽はショスタコーヴィチの前奏曲とフーガから
第23番ヘ長調Op.87-23



24曲全曲聴くと2時間以上ピアニストによっては3時間かかる。
1933年の24の前奏曲はもっと軽いノリの曲だったけれど、この全曲は集中力がいる。
全曲の初演はこのニコラーエワさんが2日間で行った。
ニコラーエワさんのバッハは少しロマンティックにすぎるようにも思うのだけれど、ショスタコーヴィチのこの曲については確信に満ちている。
作曲家が書き上げる作品をその傍らにいてピアノで弾いて聴かせ、その作曲家の全幅の信頼を得た自信から来ているのか彼女にとって特別の作品なのだろうね。

好きな曲です。
はい。





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明けましておめでとうございます。 [音楽]

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なんということか、この歳になって忙しさがいや増しになり、処理能力が追いつかない。
子どもたちはまだまだ一人前にはならず、当分現役を続けることになる。
今年も大変な一年になるとそんな予想をしているけれど、不定期でもブログはなんとか続けてゆこうと思っています。
気長にお付き合いくださいませ。

1年最初の音楽は迷わず一度紹介したマリス・ヤンソンス指揮のオスロ・フィル 。
シベリウスの『アンダンテ・フェスティヴォ』短いけれど滋味溢れる音楽です。YouTubeにはたくさんの同曲がアップロードされていますが、一つ一つ聴いてみてやはり以前紹介したこの演奏に行き着きました。

今年も良い年でありますように。


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マイルストーン [音楽]

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リヒャルト・シュトラウス/弦楽四重奏曲イ長調op.2

第1楽章 アレグロ
第2楽章 スケルツォ:アレグロ モルト
第3楽章 アンダンテ・カンタービレ モルト
第4楽章 フィナーレ:アレグロ ヴィヴァーチェ

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習作というには練り上げられている。
シューベルトや何よりもモーツァルトの霊感を借りたところもあり、弦楽四重奏曲は17歳の時のこの作品で自分の音楽表現が先人以上のものにはならないと覚悟したのか。
室内楽という分野が自分の居場所ではないと考えていたのか、チェロ・ソナタやヴァイオリンソナタも似たような年代で終わっている。
ドビュッシーやラヴェルが残した1曲と同じ数ではあるが、やはり才能の趣が大きく異なり、自分の学んできたアンサンブルで可能な創造が過去の先人たちを通過してきたものに他ならないという意味が大きいように思う。
つまり、なんだ、『ちょっと創ってみました』的な。
それでもね、第3楽章は美しいね。標題音楽以前の彼の血の中にある音楽表現で最もいい流れを聴かせてくれている。
チェロが雄弁に歌う部分のシューベルト風の歌は彼岸の向こう側に立つ自分の姿を見つめるような悲しみには届かないけれど、そういう静謐な音楽をそこで生み出せる才能のきらめきを見せて余りある。
以後この分野を振り返らないシュトラウスのアンダンテは歌曲や後の交響詩の中の弦楽合奏に姿を変える。
残念なのは演奏者の熱が旋律を美しく追うだけにとどまっていて第1楽章からフィナーレまでの起伏に必ずしも共感しきっていない気がすることだ。
「17歳の音楽にそんなに頼り切るなよ」と呟きたくなるね。


YouTubeではこの第3楽章。もう少しメリハリがあれば第1楽章もいいのだけど。

映像はスペイン、カタルーニャの同時代の画家フランセスク・マリエラの「Winter 1882」
彼女が両手を突っ込んでいるのがにゃんこの毛の手触りによく表現される『モフ』の原型。
16世紀のからの女性の防寒具である。

ロータス・カルテット~オペラハウスを席巻した3人の作曲家の弦楽四重奏曲~

ロータス・カルテット~オペラハウスを席巻した3人の作曲家の弦楽四重奏曲~

  • アーティスト: R・シュトラウス・ヴェルディ・ロッシーニ,ロータスカルテット(小林 幸子)(藤森 彩)(山﨑 智子)(マティアス・ノインドルフ)
  • 出版社/メーカー: ナミレコード
  • 発売日: 2014/05/25
  • メディア: CD

String Quartet/Metemorphose

String Quartet/Metemorphose

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: MD&G Records
  • 発売日: 2003/02/25
  • メディア: CD


Kreisler/Strauss;String Qau

Kreisler/Strauss;String Qau

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Arabesque Recordings
  • 発売日: 1993/08/04
  • メディア: CD

Quartet String/Quartet String

Quartet String/Quartet String

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hyperion (UK)
  • 発売日: 1989/05/01
  • メディア: CD





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Blogの中の猫たち-185 [Blogの中の猫]

ザッキーハウス
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K.Miyazakiさんの実家のチャオちゃん

えー、このシチュエイションは初めてだね。
でもボクはこの絵の元になった小さな写真がとても気に入ったのでした。赤と金の絨毯に長々と体を伸ばした彼女の瞳は金色でそこから彼女の空間がその瞳の色に支配されているような、光があふれている写真でした。
野性的な目の力と静が一瞬でどうに変化するフレキシブルな筋肉がしなやかな体毛の中に隠れている。
その静の中の躍動の気配が好きです。(この次に寝ちゃってるかもしれないけれどね。静の次にさらに深い静。それが猫だね。)

対象が小さく、画像の詳細がよくわからないので体色や額のスジ模様については他の写真を参考に、色目もそこから採ったりしています。

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AscentivのSweep系のソフトを使ったためか、その後ユーザープロファイルが壊れたらしく、起動する度に使い慣れたソフトやパソコンのディスクトップが全て初期化されてしまい。使う度に元に戻さねばならず、面倒くさいったらないね。
復元をやろうとしても、WindowsXPの環境も使用するために2つのOSを入れている関係でスペースを確保するためにバックアップを削除していたものだから、うまく機能しない。
以前XPの時にも一度このソフトで不具合が起きたが、その時は復元できるバックアップが残ってた。今回はダメ。
レジストリを触るのもちょっと怖いしねえ。
ボクのパソコンを長年制作してくれるところへ持ってゆけば直してくれるだろうけれど、その暇がない。
当分不便のまま絵を描いたりしている。
オリジナルのカラーパレットも筆もすべて初期化されるけれど、すべてバックアップを取ってあるのでそこから読みこめばいいんだけど、ほんとに面倒だね。

ま、とにかくそのような環境で何とか仕上げたのでした。

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その時流していた音楽はヤナーチェクのOn the Overgrown Path
『茂みの中の小径』全集ヤナーチェックのモラヴィアの民族的色彩が強い第2巻を。





ヤナーチェクの音楽は同じチェコでもドヴォルザークやスメタナのドイツ・オーストリアの様式に則った上で民族を謳歌するボヘミアと異なり、様式よりも感性がモラヴィアの音楽を導く。
スラブ色は意識せずとも情景音楽のような自由の中に自然な深呼吸のように吐き出している。

タイトルバックの絵は初期のゴッホの絵で白い服を着た少女とこの絵の少女とか森と女性を描いたものがいくつかある。
彼の晩年の色遣いからはかなり違っているけれど、音楽のいくつかのシーンにはピッタリですね。 




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音楽が留める涙 [音楽]


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ヤナーチェク/ アンダンテ

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弦楽合奏のための楽曲を彼はいくつか残している。
その幾つかはとても美しく、彼のオペラ『利口な女狐の物語』の中のアダージオに見せられたボクは一時期彼の弦楽合奏曲を探しまわって聴きあさった。
アンダンテでは牧歌的な弦楽オーケストラのための『牧歌』の第1曲が美しい風景を描きこんだおだやかな望郷的作品でボクは好きなのですが、
ここで聴くアンダンテはそれとは違う。
上記の作品がドヴォルザークを思わせる雰囲気を持つのに対し、この曲は悲しむべき闘いの跡の黒く焼け焦げた匂いが鼻を突く中に煤だらけの顔を上げて立っている若い母の姿を思い浮かばせる。
彼女は決して為す術もなく呆然と立ち尽くしているのではない。
失ったものの大きさを知っている。
彼女が待ち続けた者の帰郷がただの望みになったとしても、それでも
彼女の心の芯の中に勁く、しなやかに残っているものは失われることはない。
愚直なまでの現状肯定とそこから飛躍する力が、瞳の奥に光を宿している。
涙は瞼の縁にとどまり、頬を伝うことはなく、やがて煙に燻されて揮発する。
灰色の厚い雲間に澎湃と光が射し
焦げた大地に斜めに影を落としたその母の足元に同じ覚悟の目をした幼子が彼女の粗末な上着の袖をしっかり握りしめて
ただ黙って立っている。
彼女の右手はすべての思いを伝えた後の安息の優しさでその小さな頭に置かれ
自らと子供のために言い聞かせる。

「Wir leben hier」









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煤と膠と香料と [音楽]

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ベートーヴェン/ピアノソナタ第32番ハ短調op..111

第1楽章 マエストーソ  アレグロ コン ブリオ エド アパッシオナート

第2楽章 アリエッタ .アダージオ モルト,センプリーチェ エ カンタービレ

何度聴いても掴みどころがなくて、水の底が見えてるはずなのに覗きこむと蒼く澄んだ水の底は息を止めていられる間にはとても届かない。
すべてが濃く粘着力のある煤のような、指先についたが最後容易に洗い流せない個性が到達した音化した情熱の最終形態。
その意志の濃さと有機的に結びつく精神の浄化。
極めて個人的で主観的な音楽の自由が白い和紙の上に墨痕として太く残ってゆくその筆跡は普遍的である。
第1楽章は作品57で閉じたはずの高度で技術的な攻撃性と荒々しさが太い筆致を残す。
ペンよりも先に頭で鳴っている音楽が突っ走りながらも、短いコーダには滲むように第2楽章を予感させてゆくあたりは、怜悧な設計を感じさせる。
どこに向かって収斂させるべきか、ハ短調からハ長調への道筋に明確さが見える。
第1楽章はこれに続く主題と5つの変奏が最も映える形で消えるように閉じる。
第2楽章は第1楽章で描いたコーダの残像が耳に残る間に滲むような波紋の中から揺れるように歌われて立ち上がる。
変奏の中にこれほどの深い内省が覗ける音楽はあまりない。
主題と変奏のバランスや技術的な処理などというものではない。
煤はもう燃え尽きた煤ではなく、膠で練固められた表現のための精神的な塊である。
そこから『フランツくん君はここにいるよ』とでも言っているような、つぶやくような厳しい叙情があったりする。
そして、何度聴いてもその歌の無比な高さの中に転調されて弾ける即興性を感じさせてやまない間奏。
短いがここだけ取り出せば、それは伝統音楽の中に不意に降りてきたラグタイムのようであり、驚くほど近くにジャズのイデオムが聴き取れないか。

ピアノ・ソナタという楷書から引き出された2楽章の行書。
煤と膠はそこに加えられた香気によって深い墨痕を心に残す。
様々に語られるベートーヴェンの姿はボクの中ではどうしても彼の後期の作品と結びつかない。
何度も繰り返して聴くほどに、ベートーヴェンという名はボクの耳から抜け落ちてゆく。
他にどんな聴き方をすればいいのだろう。

ふと気が付くと、もうこの作品を聴くような季節になったのだなあと思った。

様々な演奏があるけれど、現代の方から遡る演奏。少し墨が薄いけれどね。第2楽章を


 ブラームスもそろそろいいかなあと…思ったりする。

Beethoven: Piano Sonata No.32

Beethoven: Piano Sonata No.32

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Decca Special Imports
  • 発売日: 1999/05/24
  • メディア: CD

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集[4] 第21番《ワルトシュタイン》/第27番/第32番

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集[4] 第21番《ワルトシュタイン》/第27番/第32番

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2014/11/26
  • メディア: CD

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.7(第30~32番)(紙ジャケット仕様)

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.7(第30~32番)(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: グールド(グレン),ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2007/09/19
  • メディア: CD


ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111

ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111

  • アーティスト: グルダ(フリードリヒ),ベートーヴェン,シューマン
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1999/02/17
  • メディア: CD


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番&第32番

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番&第32番

  • アーティスト: ポリーニ(マウリツィオ),ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2002/10/09
  • メディア: CD













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Blogの中の猫たち-184 [Blogの中の猫]


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ネコのように生きる

  にゃんさんちの『アカニャ』


タイのバンコク在住の方らしい。
サブタイトルを見るとご本人は猫顔らしいのだが、ネコ顔ってどのへんのことを言うのかな。
まあ、飼い主さんのご尊顔は配したことないからなんともいえませぬ。
このスコティッシュは『アカニャ』君というそうです。
とても凛々しいスコさんです。

SHIMAさんという母猫はグレイが勝った縞猫さんで第2子が今回の『アカニャン』らしい。
おばあさんがミューというスコさんで生後23日辺りまで『アカニャン』くんの面倒を見てた?
うう…わからなくなった。
『チャニャ』は誰の4男か?スケッチしてるんだけど、どうも気になる。
そもそも、『アカニャン』は正式な名前なのか赤ちゃん猫のことだったりして、そうすると『チャニャ』と言うのは茶色いにゃんこという意味か?
まあ、とにかく、このスコにゃんは綺麗で素敵な眼の色をしています。

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写真があまり大きくないので角があまりないスコさんはポイントをいくつも作れない。
ボクのやり方は古生物を骨格から描く方法の応用なのでなかなか丸顔のネコっていうのは描きにくいものです。
まあ、とりあえず、こんなものです。

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体色は例によって写真の明度や彩度に影響されるので眼の色を中心に補正します。
今回は自然な色合いに彩色したら他の体毛の色が少し薄くなったかもしれない。


[るんるん] 音楽はヤナーチェクのピアノ曲 霧の中で JW Ⅷ/22

1912年に作曲されている。
彼のピアノ曲には民族色よりも練り上げられた洗練と古典の融合があり、上品な叙情性がある。
この作品は表題の状況が印象的なタッチで書き込まれているけれど、心理的な迷いや、動揺が自然の描写の形をとって描かれていて
作曲家としてのペンをどこで置くべきかこの頃から思いつめているような気もする。
組曲On the Overgrown Path 『草陰の小径にて』の描写音楽をもっと精神的なところまで掘り下げている。

美しくて不可思議。ネコみたい。
YouTubeでは4曲を2つのパートに分けている。前半に1・2曲が 後半に3・4曲目が入っている。

第1曲 アンダンテ
第2曲 モルト アダージォ



第3曲 アンダンティーノ
第4曲 プレスト










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キルトとラッキョウの花 [地方地域情報]

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ボクの住む街で冬の寒さをはっきり感じたのは11月12日だった。
それでも山々の木々は余程の高山でなくては紅葉の気配はない。
金曜日に四万十市方面に行く予定があって、その途中の入野というところにある砂浜美術館に行った。
去年も行ったが今年ほど寒くはなかった。
砂浜美術館という美術館が建ってるわけではなくて、展示物が戸外に設定されるイベント名である。
有名なのは夏のTシャツアート展だろうか。
大方入野の白い砂浜におびただしいオリジナルのプリントが施されたTシャツが浜風にはためき壮観です。
その砂浜美術館。
今の時期はキルト展というのがあり、趣味人が制作したキルトが美術館の壁ではなく、松林に大小等間隔で展示されています。

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細い砂地の道の後ろには砂地に植えられたらっきょう畑が広がっており、11月初旬から薄紫色の花が満開でとてもきれいな(ハズ)なのです。
今年は残念ながら例年よりはるかに遅れて襲来した2つの台風のお陰で花期が不順でまばらな花が申し訳無さそうでした。


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それに当日の風の寒さ!
早々に退散しました。
14・15・16日の3日間だけの展示で終わるのですが、日曜日はまだ穏やかな陽射しがあったとのことでした。
でも、キルトは綺麗でした。
小さいものも畳一畳ほどの寸法のものも作者の集中と根気と熱意が自分の定めたテーマに一直線で気持ちがいい。
そりゃそうだよね。筆でぼかすことはできない。色はすべて布やイトの緻密で根気がいる自力の作業の上に成り立っている。
ジジイには到底出来ないやね。
ただ、ただ寒さに肩に力を入れたまま見とれてきた。

来年はもう少し暖かいといいのだけれど。

協力金として中学生校以上の観覧者は300円必要。これはこの浜辺の重要な環境のひとつである松林保全のための基金に当てられる。

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