So-net無料ブログ作成

シュターフェンハーゲンのコンチェルト [音楽]

piano01.jpgベルンハルト・シュターフェンハーゲン/ピアノ協奏曲第2番ロ短調 1893年

音楽史の中に決して埋もれているわけではないが、現在ではきわめて露出度が少ない。
ピアニストとしてリストに師事し、とりわけリストの晩年には手堅い彼の作品の再現者としてまた愛弟子として大きな信頼を寄せられていた。
最初のピアノ小協奏曲がその自作自演によってメンデルスゾーン賞を受賞し、以後叩いた門はいくつかあるが、ピアニスト兼作曲家としての地位は終生リストの比護の元に才能を羽ばたかせることによって確立したといっていい。
ヨアヒム・ラフが冷や飯を食ったのとはかなりの違いがありそうだが、残っている作品の重厚長大は、彼がリストのピアニズムを受け継いだ19世紀ドイツロマンティシズムの最後の一人である事を示している。
彼が指揮者として解釈者として大いに評価されていたのはマーラーやプフィッツナーやブラームスなどであり、彼の作品にもその影響が非常に色濃い。
とくにの第2協奏曲はブラームスの曲調にリストのピアニズムを当て嵌めたような重くロマンティックな作品である。
標記がドイツ語であり、スコアが無料で手にはいるのだが、素人には膨大でよくわからない。
第1楽章は『非常にエネルギッシュにそして厳粛に』と題されており、この楽章だけで作風がよくわかる。
埋め込みが禁止されていますのでURLに飛んでくだされ。


繊細でおとなしそうな青年が白髪のリストの座るピアノの側に立っている写真は有名だが、ゲルマン民族の血のたぎりは奔放であり、野心的ですらある。

default.jpg

冒頭ブラームスの第1協奏曲と聴紛うばかりのオーケストラのトウッティの中を非常にパワフルなピアノが決然と入ってくる辺りはちょっと座り直してしまう迫力がある。
ブラームスが先にいることを置いておいて純粋に音楽を聴けば結構楽しめる音楽である。
高音域の弦楽が悲鳴寸前のアタックを掛けるところは、もしブラームスが聴いていたとしたら客席からわめきながらステージに駆け上がってきそうである。
ただ、ゆったりした中間部はさすがに20世紀が近い近代の感性が鳴っていて、この辺のデリカシーがピアノの技巧とうまく混然としながらメロディを形作ってゆく部分は聴き応えがある。
カデンツァがフーガを交え、ヒステリックなピアノ技巧に頼ることなく整理されていて聴かせる。オーケストラは厚く、ピアノはオルガン的な音量を必要とし、後期ロマン派の作品として相当の存在感がある。
第2楽章 アダージオであるが、ドイツ語の指示標記がボクの能力を超える。
でも、この楽章も重く、幅広くゆったりとしていてロマンティックである。オーケストラパートの充実は実にシンフォニックで並々ならぬ実力が聴かれる。
弦楽の重さと目の詰まった抒情的表現に軽い金管が絡みながらピアノが切れのいいパッセージで入ってゆく部分は、こういう行き方の、ブラームスのようなアプローチでのピアノ協奏曲の完成形であり、それ故に19世紀の爛熟した世紀末を迎え、評価される期間が短かったことを予感させる。
この楽章も非常に魅力的な音楽がみっちり詰まっており、チョコレートを食べながらココアを飲むようなこってり感があって、第3楽章を聴かずしてお腹がいっぱいになる。
その第3楽章は第1楽章の主題がそのまま繰り返され、楽章間の統一感を取り戻すように作られている。
ただ、その第1楽章が濃い内容なので、『ああ、もう第1楽章聴いたからいいや』と感じるほど手堅く、作られている。
息抜きのない岩のような音楽です。
ブラームスにある風通しの悪さがそのままこの作品にもあるのですが、ピアノは第2楽章を回帰しながらどこまでも完成されたリストを聴いているようにオーケストラに煽られつつ、彼らを鼓舞し混然と終結になだれ込んでゆきます。
も、お腹いっぱいですね。

途中にあげた第1楽章を聴けば十分かと、でも、第2楽章も結構良いのです。

Stavenhagen: Klavierkonzert No.2/Drei Orchesterlieder

Stavenhagen: Klavierkonzert No.2/Drei Orchesterlieder

  • アーティスト: Thomas Pfeiffer,Bernhard Stavenhagen,Hans-Rainer Forster,Vogtlandphilharmonie,Volkmar Lehmann,Helga Spatzek
  • 出版社/メーカー: EBS
  • 発売日: 1993/06/25
  • メディア: CD

The Romantic Piano Concerto, Volume 4

The Romantic Piano Concerto, Volume 4

  • アーティスト: Eugen d' Albert,Franz Liszt,Mihaly Mosonyi,Joseph Joachim Raff,Bernhard Stavenhagen,Hans von Bronsart,Jörg Faerber,Paul Angerer,Pierre Cao,Richard Kapp,Berlin Symphony Orchestra,Hamburg Symphony Orchestra,Luxembourg Radio Orchestra,Southwest German Chamber Orchestra (Pforzheim),Recklinghausen Westphalian Symphony Orchestra
  • 出版社/メーカー: Vox
  • 発売日: 1992/11/04
  • メディア: CD

Stavenhagen: Klavierkonzert

Stavenhagen: Klavierkonzert

  • アーティスト: Bernhard Stavenhagen,Andreas Pistorius
  • 出版社/メーカー: Ars
  • 発売日: 1999/06/08
  • メディア: CD

9743423.gif
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

nice!(46)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 46

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0